日本書紀、古事記に記されている「天の岩屋」または「天の岩戸」。これが尾道に隠されていたのだ。
尾道には四箇所に、巨石による遺跡がある。
尾道は3つの山に囲まれた街だが、それぞれの山、千光寺山、西國寺山、浄土寺山には玉の岩と鏡岩、タンク岩、不動岩があり、尾道の街を守るかのように配置されている。
そして、この三箇所の岩が見ている先には、尾道の向かいにある島、向島の岩屋山にある岩屋巨石がある。はるか古代に、このような巨石をそれぞれ山の上に配置した人物とは、当時のかなりの権力者だったと思われる。
しかし一体何故、このような遺跡を残したのか、そして遺跡を造らせた権力者とは何者なのか、 この謎を解明しようとなさっているのが、尾道大学の稲田教授である。
稲田教授の著書「隠された神話・歴史都市 尾道の謎」(発行:尾道市)に、
何故違う場所にある三つの寺が岩屋山を向けて建てられたのか?岩屋山は不思議な山である。三古刹が向いている岩屋山。初めは岩が多い山というのが印象だったが、フィールドワークを重ねる度に新たな発見と出合った、四山の中でも特筆すべき山だ。
と記しておられる。
「隠された神話」によると、答えは三山の岩が見つめる先、岩屋巨石にあるとしている。
岩屋巨石
岩屋巨石に向かって行く途中に、行く先を誘導するかのように、摩壁仏が数多く配置されています。
不動明王?天手力男神(あめのたぢからおのかみ)?彫ってある字が良く読めません。
岩屋山の巨石。これは日本神話に登場する天の岩屋?
岩屋山は標高約100mほどの小さな山だ。尾道側の三山は、それなりに人が訪れる場所だが、この岩屋山は人訪れぬ山であり、隠された秘密の場所のようだ。
巨石までの道のり上、数多くの摩壁仏が配置されており、この場所を守るかのようだ。
そして巨石にたどり着くと、見事な巨石が真っ二つに割れており、その壁面には不動明王なのか、日本神話で天の岩屋を開いたとされる天手力男神(あめのたぢからおのかみ)なのか、とにかく男神が描かれている。
そして、割れて開かれた岩の向こうは、夏至の朝日の方向になる。
天の岩屋、そして。
この岩屋巨石、冬至と夏至の朝日、夕日の交差する場所に配置されており、線を結ぶと正六角形が表れる。正六角形とは、亀甲の形であり、出雲大社の神紋、「二重亀甲剣花菱」とも読める。
つまり、出雲の国で、須佐乃男命がヤマタノオロチを退治して大蛇の尾から引き抜いた、草薙の剣を象徴しているのではないだろうか?
そして、千光寺山の玉岩、鏡岩と合わせると、この地に三種の神器が表れることになり、もし三種の神器を表し、岩を配置した人物がいたとしたら、その当時の日本の支配者に違いない。
もしかして、須佐乃男命その人だったのかも知れない。
考えてみれば、古代の日本の流通の中心は山陽道、瀬戸内海であり、山陽道のちょうど中央に位置する尾道に、時の権力者、支配者が、力の象徴を残したとしても不思議はない。岩屋山が、日本神話にでてくる、天照大御神が隠れたとされる、天の岩屋そのものなのかも知れない。
いずれにしても、古代人の太陽に対する信仰、憧れの思いが垣間見れる。
尾道の街は、富裕層を中心に真言宗の信仰が篤い。観音信仰の街とも云える。この観音様への信仰こそ、天照大御神への崇めではないだろうか?神仏混合により、人々の太陽神への信仰が、自然に観音様への信仰として受け入れられていったのではないだろうか?
この岩屋巨石のある岩屋山は、「尾道にチベットのポタラ宮がある。」で紹介した西提寺の寺領の中にある。つまり観音様の住む場所、補陀山(ほださん)を指しているのが岩屋山、ということだ。
そして、岩屋山と対を成すように大神山があり、ここは、天照大御神の神託を受け、神通力を得たとされる倭姫命(やまとひめのみこと)が終焉の地として選んだ場所、という記述がこの山に建つ大元神社に記されている。
倭姫命は魏志倭人伝に登場する「卑弥呼」と目されている人物であり、彼女が弟の日本武尊(ヤマトタケル)に蛮族征伐に向かわせる際、三種の神器のひとつ、「草薙の剣」を託した場所はもしかして、ここ、尾道だったのでは?と想像してしまう。
何故なら岩屋巨石こそ、草薙の剣=太陽神の力、と先に私が記したことから考えられるからだ。
追記
岩屋巨石は稲田教授によると、
他の三山の巨石よりも更に古くから存在していた。
とのことだ。教授の考古学心としては、是非巨石の下を掘り返してみたい、と考えておられるようだが、罰当たり、ということになるだろうし、許可が下りるかも分からないから残念な気持ちを持たれているようだ。
稲田教授の考えでは、三山全てが玉岩、鏡岩、と推察している。そこから見えてくることは、山陽道、瀬戸内の海道の流通権を支配するための要塞都市としての尾道の姿だ。
私も折りを見てこの件に関して、更に突っ込んで調べて見たいと思う。
瀬戸の日の出
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